衝撃的だった漫画「善悪の屑」ゆる〜い感想レビュー

今、「外道の歌」といった漫画はネット中心に人気のある漫画だ。その前身作品となっているのが「善悪の屑」いうなれば第1部である。この漫画を初めて読んだ時は衝撃的だった。漫画で目を背けたくなるようなシーンがあったのは初めてかもしれない。

善悪の屑、外道の歌ともにヒューマンドラマ&バイオレンスといったジャンルだろう。

内容はカモ、トラといったコンビが復讐屋を営んでおり、依頼者からの復讐を果たしていくものだ。善の屑がトラ、カモのコンビである。復讐相手が悪の屑といった感じ。

読んでいて「うわ〜凄まじい〜」といった感想を最初にもつだろう。リアル寄りの漫画になっており淡々と物語は進んでいくが、なぜかカモ達が復讐しているシーンを観ると爽快感がある。

そして、この善悪の屑は不健全図書の指定を受けているらしい。Amazonでも発売が禁止されている。ただその他の電子書籍ストアでは普通に販売されている。書店でも売っている店は少ないようなので確実に手に入れるなら電子書籍ストアで探す方が確実だろう。

痛々しすぎる描写の数々

復讐代行を営むカモ、トラのコンビ。
トラはどちらかと言うと肉弾戦が好みのようだがカモは違う。凶器、鈍器を活用して徹底的に相手をいたぶる。目ン玉をえぐり、指は全部切り落とす。そんなのは当たり前。処分する前に圧倒的な苦痛を与えるのだ。

とにかく復讐時の描写は本当に見ていて痛々しい。

人によってはご飯が喉を通らなくなるかもしれない。食前や食後に読むことは個人的におすすめしない。衝撃的で脳裏に焼き付く。その状態で飯を食べると…「うぷっっっ」となるかもしれない。

リアルに拘った漫画

善悪の屑は実際にあった事件をオマージュして漫画にしている部分もある。恐らくニュースで見たことあるような事件がいくつかあるはずだ。そしてカモ、トラだけにスポットがあたるわけではなく、被害者側の葛藤、心情にも触れる部分が多くある。そして口数少ないカモが被害者にかける言葉が妙に突き刺さる。

非道のように見えるカモだが人情味もある。
正直、得体の知れない男、カモだが外道の歌(1)を読んで、なぜ復讐屋を始めたのか、ここまで非人道的になれるのか、カモの過去を知ることができる。

そして、表情一つ一つも漫画のような状況になったら…こんな顔になるんだろうな〜といった形で表情も妙にリアルなのだ。

怖い…痛々しい…でも続きが読みたい。恐ろしい中毒性のある漫画が善悪の屑だ。

やり過ぎ感はあるが爽快感が一入(ひとしお)

カモ、トラは自分達のことを躊躇なく「屑」と自覚している。それでも自身を必要とする人間がおり、法で裁けない人間を被害者に変わり裁くといった信念がある。復讐時の残虐シーンは少しやり過ぎ感もあるが、相手が相手だけに心の中で「もっとやってしまえ〜」といった感情が生まれる。

そんじょそこらのヤンキー・アウトロー漫画にはない爽快感がこの漫画にはある。

最初は目を背けたくあるシーンもあるが読み進めていくと自然とカモ達を応援してしまう。同時に復讐が果たされた時、非常にスカッとした感情が生まれている。非人道的だがここまで感情に訴えかけてくる漫画は珍しい。

非人道的な漫画なのだが所々で人間らしい部分が描かれる。鍋パーティーをしたり居酒屋で予算を気にしながら注文をしたり、酒を飲んで寝てしまうなど。

人間味の部分があるからこそ、カモ達を応援して大きな爽快感も生まれているのかも。

本当、衝撃な漫画だが考えさせられる部分も多い漫画。万人に決して勧められる漫画ではないが興味が出たなら、まずは1巻から読んでみて欲しい。残虐シーンは多いが、なぜか続きが読みたくなる魅力を持っている。

漫画「善悪の屑」あらすじ・漫画情報

善悪の屑

原作・著者渡邊ダイスケ
価格540円

過去を背負った2人の男が担うのは「復讐の代行」。屑には屑による制裁を! 「正義」の意味を問う問題作!