菅原敬太の漫画「隣町のカタストロフ」ゆる〜い感想レビュー

隣町のカタストロフ

走馬灯株式会社、マーダー・インカーネイションなど描いている菅原敬太先生の新作漫画が「隣町のカタストロフ」。この漫画のキーワードは「地変天異」だ。天変地異ではない。ある時刻になった時、3つの町で逆転現象が起こる。空が地上に地上が空に。

かなり謎多き漫画だが「なんでなん…?」といった気持ちで読み進めてしまった。

もし漫画のように地球でも地変天異が起こったらどうなるだろう…なんて考えながら読んでいた。第1巻で全てが語られることはないがサバイバルミステリ漫画好きはチェックして損のない漫画になりそうだ。

隣町のカタストロフ 午前10時12分に起こる現象

第1巻ではこの時刻になる前後の様子がスポットを変え、描写される。午前10時12分になると3つの町だけ空と大地が逆さになってしまうのだ。そして複数の人間のドラマが描かれる。皆、ある悩みを抱えていたり、助けたい人間を助けられずに落胆する者など。

なぜ、3つの町だけ逆転現象が起こるのか…謎が尽きない。

町から町への移動はできない

終盤である高校生グループが地変天異が起きていない隣町との境まで到着する。いざ安全な隣町に足を踏み入れようとすると爆散してしまうのだ。この時の描写はこう語られている。

「上と下の重力で潰された」

つまり、地変天異が起きた町と起きてない町の間には目に見えない重力の壁が存在している。助かろうと隣町へ逃げようとすれば重力の違いに体が堪えきれず爆発してしまうのだ。

3つの町の住人は完全に鳥籠の中だ。
幸い、1巻では異生物などは出てこない。今後出てこないかもしれないがなぜ地変天異が3つの町だけで起こったのか、そう、謎は尽きない。

地変天異が起こることを知っていた人物がいる

1巻の終盤で高校生が学校でのあるやり取りを思い出す。
そこでこの現象が起こることを事前に知っていた人物がいることに気づく。そして高校生はその人物に会うため学校へ戻ろうとする。ここで1巻が終了。

とにかく1巻では地変天異に巻き込まれた複数の人物のヒューマンドラマが展開されていく。

逆転現象が起こった原因などは一切語られない。わかるのは3つの町で地変天異が起こったことだけ。2巻、3巻辺りで謎が解明されてくるんだろう。そしてまだ、主人公やヒロインも誰なのか定まらない。

本当に謎多き漫画だ。

漫画「隣町のカタストロフ」第2巻の発売日

ここまで多くの謎を残して次巻になるとどうしても2巻を読みたくなってしまう。1巻の次巻予告では2017年5月29日に第2巻が発売予定と記載されていた。1巻発売からのスパンが短い。とりあえずマンバクは2巻も買う。

サバイバル要素が色濃く出てくるのはこれからだと思う。今はミステリー要素の強い漫画だ。

電子書籍ストアなら試し読みも可能なので気にいるかどうか、自分の目で確かめてみて欲しい。

隣町のカタストロフ

隣町のカタストロフ(1)

原作・著者菅原敬太
価格540円

5月28日、午前10時12分――「地変天異」発生。その瞬間、街は空と大地を逆さにした。摂理を失った世界で、夢も希望も愛も悲しみも、人々の日常は音を立てて崩れ落ちる――。『走馬灯株式会社』『鉄民』の実力派が描く、驚愕のサバイバルミステリ!!

※ちなみに電子書籍版「隣町のカタストロフ」の取り扱いがあるのがBookLive!だけ。Kindleストアでもまだ取り扱いはなかった。